相模原市にスウェーデンハウスを建てたわたし.
住宅展示場から始まり,建売,新築マンション,中小メーカーさんを見て
住宅展示場に戻ってきました.
住宅展示場で再度詳しく話を聞こうと考えていたのは
①ヘーベルハウス
②一条工務店
③スウェーデンハウス
④三井ホーム
の4つ.
この4つは一度伺ったとき,それぞれ魅力的なところがありまた担当してくれた営業の方の雰囲気も良かったのです.
一番のネック
これまでに描いていませんでしたが家を建てるまで相模原のアパートに住んでおり,土地を持っていませんでした.
ですので土地とメーカーさんを同時に探さなくてはならなかったのです.
これはけっこう大変です.すでに土地をお持ちの方はメーカーさんの選定に注力できますし,土地の形もわかっているのでプラン,見積もり等をもらっての比較が可能となります.
ですがうちは土地がない.なので具体的に同じ条件でメーカーさん同士を比較することができないのです.
なのでだいたい標準的な坪数でお話しを聞いてイメージするしかなかったのです,最初の段階では.
①ヘーベルハウス
ヘーベルハウスはとにかく頑丈というイメージ.
鉄骨とヘーベル板でできているため,シロアリ被害もなく,地震,洪水にもとにかく強い.というイメージを持っています.
鬼怒川の洪水で流されなかったヘーベルハウス,有名ですよね.
https://www.huffingtonpost.jp/2015/09/14/hebel-house-kinugawa-joso_n_8132924.html
最初,自分もよくわからなかったヘーベル板.
https://www.asahikasei-kenzai.com/akk/hebel/profile/character/
ヘーベル板は軽いコンクリートできたパネル(板)のこと.
またその板の内部には鉄筋が入っているため,高強度.
ちなみになぜ鉄筋を入れるのか?
コンクリートは要は土を固めたもの.
土を固めたものをさらに潰す(圧縮する)ことは難しいですよね.
ですが逆に引っ張るとボロボロとなります.コンクリートは圧縮には強いですが引っ張りには弱い.
そこで内部に鉄筋を入れるわけです.そうすることにより圧縮と引っ張り,さらには曲げにも強くなります.
https://order403.com/cgi-local/details.cgi?item_no=G-0414_005
ということでヘーベル板は鉄筋が入った軽量のコンクリート板であるため,地震,火事に強いとのことです.
ヘーベルハウスの営業力
ヘーベルハウスの強みはヘーベルハウスの建物の強さ(商品力)だと思っていましたが,実は一番の強みは営業力だと思い知らされます.
基本的にはどのハウスメーカーさんも最初に応対してくれた方が担当となります.
ヘーベルハウスで担当となってくれた方は30代前半の男性.
なにをするにも仕事が早い.
土地も関連会社からどんどん情報持ってきますし,こちらの希望に近しい土地がでてきたらすぐ建物の簡単な図面を作成し,日当たりや通気のシミュレーション結果を出してきます.
また土日には現在ヘーベルハウスに住まわれているおうちや建築中のヘーベルハウスを見学するバスツアーにも招待頂き,
またなんやかんやで毎週打ち合わせを行い,気づけばヘーベルハウスで買うのが決まっているという雰囲気になっていきます.
営業力恐ろしやです.営業の方法がしっかりと確立されていると感じました.
ヘーベルハウスの疑問点
打ち合わせを行うにつれ,疑問点もでてきます.結局それらの疑問点が解消されなかったので契約には至りませんでした.
洪水に強い
鬼怒川で流されなった写真を営業の方が何度も見せてくれ,その強さを説明してくれます.
ですが洪水に流されるか流されないかは基礎に建物がしっかり固定されているか否かで決まります.
現在ではほとんどのハウスメーカーさんで基礎と建物の接合はしっかりやっているようです.
スウェーデンハウスではホールダウン金物,アンカーボルトというもので基礎と建物を固定しています.
また現場で流されなかったのはその位置も関係するわけです.たまたま水流が弱まる位置だったということも否定できません.
火災に強い
バスツアーによる見学会のとき,ヘーベル板にガスバーナーによる火を直接当てる実験を見せてくれました.
その結果,ヘーベル板は全然燃えません.ほんと火には強いです.それは間違いないです.
基本,コンクリートですからそれは燃えないと思います.
なので壁全てをヘーベル板にした場合,まわりから火がきても,ヘーベルハウスは守られるでしょう.
ですが,火は窓から入ってきます.窓のないおうちはありません.熱された窓が割れ,そこから火が家内に侵入し,火災を引き起こすのだと思います.
なのでヘーベル板と通常のサイディングを用いた住宅を比較した場合,結局火災への強さはウィークポイントである窓性能で決まり,したがって大差がないのでは?
と思いました.
断熱・気密性能
ヘーベルハウスはネオマフォームという断熱材を使っています.この断熱材はよくあるわたわたのようなものではなく,自立できるパネルようなものです.
見学会のとき,パイプ椅子の上に敷いてあり,座ると椅子の冷たさが遮断されお尻がじんわり暖かかったのを覚えています.
断熱材がパネル状の場合,設置はしやすいですし,なんとなく断熱材自体強そうです.
ですが隙間をしっかり埋めることができず高い断熱性能を保てないのでは?
と思いました.以前にも描いたとおり断熱・気密性能を重視していたのでこのあたりは営業さんに何度も何度も聞きました.
断熱性能と気密性能は数値的に示すことができます.
もちろん家のデザイン自体によって異なりますが,メーカーさんは自分たちが作っている家の性能は把握しているはずです.
特にヘーベルハウスは風通しや日当たりなどのシミュレーション結果をすぐ出せるほど計算能力(ソフト)はあるわけです.
なのに断熱性能と気密性能の数値的なものは一切でてくることはありませんでした.
営業さんは「最近自分もヘーベルハウスを建てたが冬の朝など寒くないですし,全然大丈夫ですよ」の一点張り.
これはほんとに最後まで不思議でした.数値が欲しいのです.
メンテナンスフリー
これもはっきり言ってよくわからなかったです.営業さんは30年メンテナンスフリーというようなことを言うのですが,30年大規模なメンテナンスなしでいけるわけないと思うのです.
ヘーベルハウス板自体は確かにメンテナンスいらないかも知れませんが,外壁にはシーリングが打ってありますよね.
外壁は必ず動きますので壁材料間には弾性をもった(変形することができる)シーリングが必要です.
しかしこの弾力あるシーリング材はもちろん劣化します.劣化して弾力をなくしたり,水が染み込んだりします.
なので定期的にこのシーリングの打ち直しは必要なんですよね.
ということでヘーベルハウスの言うメンテナンスフリーというのがどういうことなのか最後までよくわかりませんでした.
実際,近所のヘーベルハウスは足場を組み,外壁のメンテナンスをやっています.
築10年程度のおうちです.少なくとも30年経っているおうちでないことは間違いないです.
決定打
ということでそれらの疑問が払拭されないまま,打ち合わせを重ねていきました.
これは今でもそのときのことをよく覚えているのですが,冬の初めの夕方,ヘーベルハウスモデルルーム内の窓に近い場所の席で打ち合わせをしていました.
すると窓から冷気が入ってきて,足下が寒いのです.
この寒さを感じたことが決定打となり,ヘーベルハウスは自分の中の候補から外れました.
次は一条工務店と三井ホームさんですね.