ここではモータファンイラストレーテッド177号について紹介します.
トルクを流す
動力伝達を理解するための超基礎講座
Introduction
パワープラントからタイヤまで トルクの流れは一本道
モータ,エンジンからタイヤまでどのようなデバイスを通ってタイヤまでトルクが伝わっていくのかデバイスの図とともに説明あり.
例えば,エンジン→トルコン→遊星歯車→デフ→ドライブシャフト→タイヤ
そのほかDCTやTHSIIなど機構別に流れが描かれている.
これを見るとパワーソースであるエンジンやモータからタイヤまでにどのような部品,機構がなんのために備えられているかが視覚的わかる.
THEORY-そのときトルクはどのように流れるのか-
01 前輪駆動で「曲がる」瞬間をとらえる
カーブを曲がるとき,左右の車輪では回転量が異なる.なので左右輪を直結するとスムーズに曲がることができない.
ここではスムーズに曲がるために存在するデファレンシャルギヤ(デフ)の役割と構造,仕組みについてわかりやすく解説されている.
02 四輪駆動でトルクはどのように使われるのか
カーブを曲がるとき,左右輪だけでなく,前後輪でも回転量の差が生じる.
四輪駆動ではスムーズに曲がるため,前輪と後輪の間にもデファレンシャルギヤが必要でそれをセンターデフという.
現在,用いられているセンターデフ以外のシステム(クラッチ,モータ)についても紹介されている.
COMPONENT-エンジンレイアウトの変遷とトルクを流すデバイスの進化-
ここではトルクを流すための個々の装置(下記)について解説されている.
・トルクコンバーター
・クラッチ
・4WD電子制御カップリング
・ドライブシャフト
・ハブユニット軸受
どれも図解あり.また開発者のインタビュー形式であり,最新技術について紹介されている.
その他
・プリウスのシステム(THSII)について図解で詳細な説明あり.
・新車情報:ホンダヴェゼル,VWティグアン
まとめ
今回は駆動系と言われる動力源からタイヤまでが対象で,どのような装置を用いてトルクを伝達するかということを理解するために,大学生や自動車関係の企業に就職したばかりの技術者にとって非常に良い教材になると思われる.
トルコンやデフなど構造や仕組みがわかりずらいものを直感点に理解できるよう解説されているので自動車の販売店の方たちにも良いのではないかと思う.